『不寛容論』
-アメリカが生んだ「共存」の哲学
森本 あんり 著 | 新潮社(新潮選書) | 298p | 1,600円(税別)


1.虚像と実像のピューリタン
2.中世の寛容論
3.異議申し立ての伝統
4.政権当局とのせめぎ合い
5.誤れる良心と愚行権
6.建設者の苦悩
7.異形者の偉業


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

自分と価値観や思想が異なる相手に対して「寛容」になれないことはないだろうか。SNSなどでは、互いに「不寛容」な者同士が罵倒しあったりもしている。
昨今のコロナ禍では、何らかの事情で自粛できない人に不寛容な「自粛警察」と呼ばれる人たちも出てきた。では、そもそも「寛容」とは何なのだろうか。

本書では、米国の独立前、英国の植民地時代に活躍したロジャー・ウィリアムズ(1603頃-1683)の「寛容」な行動や考え方を掘り下げることで、現代にも通じる「寛容」のあり方を探っている。
ウィリアムズは、先に英国からアメリカ大陸に渡った人々による植民地政府が、異教徒や異端(政府を作ったピューリタン以外のキリスト教宗派の人たち)に、自分たちの教会での礼拝を強制するなどの「不寛容」なやり方に異を唱える。そして、そのために追放された後には、新しい植民地を拓き、先住民をはじめとする異教徒や異端者に対して「寛容」な政治運営を行った。

著者は、国際基督教大学(ICU)人文科学科教授。専攻は神学・宗教学で、ベストセラーとなった『反知性主義』(新潮選書)など多数の著書がある。


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