『古代マヤ文明』
-栄華と衰亡の3000年
鈴木 真太郎 著 | 中央公論新社(中公新書) | 320p | 960円(税別)


序.マヤ文明研究の歴史
1.考古学と形質人類学―バイオアーキオロジーの誕生
2.南部周縁地―グアテマラ南海岸地方、エル・サルバドル、ホンジュラス
3.人は動く―移民動態の研究
4.グアテマラ高地、マヤ王国の終焉
5.古代の食卓―マヤご飯
6.ペテン地方―密林に眠る神聖王の群雄活劇
7.古代マヤにおける戦争
8.灼熱のユカタン半島を行く
9.肉体は文化を語る


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

世界史上、かつて栄華を誇ったが大航海時代にヨーロッパ人によって滅ぼされた文明の一つに「古代マヤ文明」がある。紀元前1000年頃から、16世紀にスペイン人に征服されるまで続いた諸王朝である。
以前は神秘のベールに包まれていたが、近年は科学のメスが入り「謎」の多くは解き明かされつつある。

本書では、マヤの現地で長年にわたり人骨を中心とする調査に携わった著者が、新しい知見も交えて、「古代マヤ文明」の実像を明らかにしている。遺跡にのこされた碑文や遺物、人骨をもとにした考古学や人類学の研究からは、マヤの人々の移動、戦争の実態、食生活などが詳細にわたり推測できるようになった。
それとともに、以前の「天文学や数学をきわめた古代人が、密林の中で平和に暮らしていた」といったマヤ文明のイメージは崩れ、マヤ文明圏では複数の群雄割拠の王朝が攻撃し合い、滅ぼし滅ぼされるを繰り返す「戦国」の様相を呈していたことがわかってきている。

著者は岡山大学大学院社会文化科学研究科講師。2008年にユカタン自治大学骨人類学修士課程を修了し、ホンジュラス共和国コパン遺跡の調査発掘・保存業務に従事した。


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