『Ctrl+Z 忘れられる権利』
メグ・レタ・ジョーンズ 著 | 石井 夏生利 監訳 | 加藤 尚徳/高崎 晴夫/藤井 秀之/村上 陽亮 訳 | 勁草書房 | 288p | 3,500円(税別)


1.忘れることが容易になったEU
2.忘れることが不可能になったアメリカ
3.プライバシーの革新
4.デジタル情報スチュワードシップ
5.法文化におけるCtrl+Z
6.国際コミュニティにおけるCtrl+Z


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

EUが2016年に制定したGDPR(一般データ保護規則)は、すべての個人情報(データ)の保護を厳格に定めたものだが、注目された条文の一つに「忘れられる権利(消去の権利)」を謳った第17条がある。
データの管理者に対し、一定の要件のもと、個人が自身に関するデータを削除させる権利である。

本書では、とくに過去のプライバシーと尊厳に関わる情報を、ネット空間から削除、あるいは閲覧不可能にさせる「忘れられる権利」について、学際的な視点と豊富な事例をもとに論じている。
忘れられる権利は、「個人は自身のデータを自分でコントロールする権利を持つ」というGDPRの原則に沿ったものであり、欧州各国では「人の尊厳」に係る権利として認識されている。一方、米国では、表現・言論の自由を第一義とする価値観が根強く、媒体などがデータを残す権利と、忘れられる権利が衝突しがちであり、それを解決するより良い選択肢が望まれるのだという。

著者はジョージタウン大学コミュニケーション・文化技術学部准教授。デジタル情報とコンピューティング技術におけるプライバシーやイノベーション等に焦点を当て、規制と技術変化に関する研究を行っている。


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