『インドネシア』
-世界最大のイスラームの国
加藤 久典 著 | 筑摩書房(ちくま新書) | 304p | 1,012円(税込)


序.地球の縮図―多様性の国インドネシア
1.多文化主義への道―五つの建国理念
2.土着文明とイスラーム―反原発運動と信仰
3.スハルト政権興亡史―独裁者とムスリムたち
4.教義と実践の狭間で―ムスリムたちの実情
5.終わらない対立―教条主義と自由主義
6.テロリズムと対峙する大国―「イスラーム国」の登場
終.ムスリムと家族になれるのか―宗教的寛容性を考える


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

1万3000以上の島からなる、ヨーロッパ全体にも匹敵する広大な国土と、世界第4位の人口を擁するインドネシア。日本とは歴史的、経済的、政治的につながりの深い友好国である。
同国は、人口の約9割がイスラームに帰依する世界最大のイスラーム国家であると同時に、多民族・多宗教が共存してもいる。

本書では、国民や政治指導者、宗教指導者等が、どのようにイスラーム(イスラム教)をはじめとする宗教や文化と向き合い、社会を作り上げてきたのか、という問題提起を軸にインドネシアという国家のありようを論じている。
インドネシアでは、イスラーム以外の宗教や土着信仰などを排斥することなく、「寛容」の精神のもと共存を図ってきた。また、同国のムスリム(イスラームを信仰する者)の多くは、教義を忠実に実践していくのではなく、社会状況や個人の事情、地域の文化や習慣などと折り合いをつけながら柔軟性をもって信仰している。インドネシアには日本が学ぶ価値が多くあるという。

著者は中央大学総合政策学部教授で、宗教社会人類学、東南アジア地域研究、比較文明学を専門とする。1990年から2009年まで米国、インドネシア、オーストラリア、フィリピンなどで暮した。


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