『10億ドルの魚』
-北太平洋のスケソウダラを巡る知られざる攻防
Billion-Dollar Fish: The Untold Story of Alaska Pollock
Kevin M. Bailey 著 | The University of Chicago Press | 288p


1.イントロダクション
2.歴史的背景
3.公海での漁業
4.アメリカ化!
5.空っぽのドーナツホール
6.バイキングの侵攻
7.新しい魚の登場
8.新しい海
9.運命の工場
10.すべては身内に
11.問題のある水域を結びつける
12.スケソウダラの厳しい未来


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

北太平洋のベーリング海、シベリアから日本近海まで幅広く生息し、かまぼこ、すり身、さらにはマクドナルドの「フィレオフィッシュ」など、食用水産物として広範囲に加工され、流通しているスケソウダラ。日本人の食生活に欠かせない身近な魚種である。
また、米国海洋大気庁のデータによると、米国での年間水揚げ量第1位(2019年)であり、大きな経済的価値をもたらしている。そのスケソウダラは、20世紀から21世紀にかけて、北太平洋における熾烈な漁業競争の中心となったことは、あまり知られていないのではないだろうか。

未邦訳の米国書籍である本書では、スケソウダラ漁を巡り、漁業資源獲得のために米国、旧ソ連、日本など各国が講じてきた取り組みを詳述している。
米国は、1976年以降、沿岸から200海里以内の海域における外国船による漁業を制限。しかし、それが、北太平洋の特定海域に各国の漁船を集中させ、その海域のスケソウダラの個体数激減を引き起こす要因となってしまったようだ。

著者のケビン・M・ベイリー氏は、海洋漁業生物学者、生態学者。ベーリング海やアラスカ近海などの生態系を主な研究対象としている。


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