『揺れ動くユーロ 危機再来を防ぐには』
Alles auf Anfang: Warum der Euro scheitert - und wie ein Neustart gelingt
Nicolaus Heinen/Jan Mallien/Florian Toncar 著 | Campus Verlag GmbH | 235p


イントロダクション 決断の日
1.ユーロ―5つの幕からなるドラマ
2.糸で繋がれたヨーロッパ
3.信頼の危機と休止
4.セカンドチャンス
5.ECBの政治性を無くし、透明性を高める
6.責任原則への回帰
7.銀行規制の強化による金融安定性の向上


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

1999年の導入から20年以上が経ち、ドルに次ぐ国際通貨として、世界的に利用されているユーロ。2009年のギリシャ債務危機に端を発するユーロ危機の際には、欧州中央銀行(ECB)の介入などにより、事態は沈静化したものの、その後の足並みの乱れや、更には英国の離脱に伴う混乱などに直面してきた。
ユーロには、どのような構造的な課題があるのだろうか。

未邦訳のドイツ語書籍である本書では、現在のユーロが抱える問題点を俯瞰的に指摘しつつ、主にECB改革や役割の転換について提言している。
著者らは、ユーロやECBの存在自体は肯定しつつも、現在の中央集権的なあり方を批判し、より多様性を持った存在となるべきことを主張している。すなわち、EUの原則である加盟国とEUとの間の補完性原則に基づき、有権者からの支持という民主的正当性も含めて制度設計を行うべき、との主張であり、現在の欧州通貨や金融に関する問題の中心的な論点ともいえよう。

著者のニコラウス・ハイネン氏は、ドイツ証券取引所ESG戦略部門長。ヤン・マリアン氏は、金融政策を専門とするジャーナリスト。フローリアン・トンカー氏は弁護士で、2005年~2013年にドイツ連邦議会議員を務めた際に、金融市場委員会(Finanzmarktgremiums)等で、金融危機対応に当たった経験を持つ。


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