『フェン ボグ スワンプ』
-炭素貯留による気候変動対策と生態系維持に貢献する「泥炭地」
Annie Proulx 著 | Scribner | 208p


1.湿地をめぐるとりとめのない思い
2.イングランドのフェン
3.ボグ
4.スワンプ
5.時間をかせぐ


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

近年とみにその進行が肌で感じられる気候変動。その対策としてCO2の排出を抑える取り組みが進められる一方で「ドローダウン」、すなわち大気中の炭素を引きずり下ろし、土中に閉じ込める、という方法も模索されている。
そして、炭素を豊富に貯留する性質を持つ地形として注目されるのが「泥炭地」である。

未邦訳の米国書籍である本書では、文学、考古学、生物学、歴史などさまざまな分野にわたる文献をもとに、著者自身の体験を交えながら、古代から現代にいたる人間と泥炭地との関わり、泥炭地の価値や役割について語っている。
泥炭地には、鉱質土壌に接する川などを源とし、葦などが生育する「フェン」と、酸性土壌にミズゴケなどが生育する「ボグ」、そしてマングローブなどの低木が生い茂る「スワンプ」という3つのタイプがある。二酸化炭素を貯留するとともに植物の光合成を促す泥炭地には、気候変動の進行を止める重要な役割が指摘されている。

著者のアニー・プルー氏は、米国の作家。ピュリッツァー賞と全米図書賞を受賞したベストセラー『The Shipping News』やアカデミー賞作品賞にノミネートされた『Brokeback Mountain』などの作品で知られる。


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