『小型EV「スプリング」をめぐる冒険』
-ルノー傘下ルーマニア企業の大衆向けEVはなぜ欧州で人気となったのか
L'odyssée de Spring: Histoire et leçons d'un projet impossible
Christophe Midler, Marc Alochet, Christophe de Charentenay 著 | Dunod | 272p


1.中国における「手頃な車両」構想の長い歩み
2.プレプロジェクトでの可能性の探求
3.協調設計のための革新的なフレームワーク
4.新しい文脈でのアジャイル開発
5.嵐の中のプロジェクト
6.不死鳥
7.社会的イノベーションとダーウィニズム
8.戦略的・文化的統合の主体であるプロジェクト
9.グローバル・イノベーション戦略とリネージマネジメント
10.大企業におけるイノベーションとアントレプレナーシップ


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

脱カーボンの潮流の中、電気自動車(EV)の普及に向けて、世界中の自動車メーカーやソフトウェア企業が開発競争を繰り広げている。
日本ではあまり知られていないが、欧州でいま大人気となっているのが、ルノー傘下、ルーマニアの自動車メーカー「ダチア」が2021年3月に発売した小型EV「スプリング」だ。

未邦訳のフランス発刊書籍である本書では、ダチア「スプリング」発売までの経緯を、同車種のベースとなった、中国市場に向けて開発された「K-ZE」の開発プロジェクトを含めて辿り、その成功要因を分析している。
K-ZEの開発プロジェクトは、ルノー・日産アライアンスと、中国の国有自動車メーカー「東風汽車集団」との間で新たに設立された合弁会社により、2016年にスタート。3年を経て同プロジェクトは完結し、販売を開始したものの、複数の突発的な事由により中国への展開は頓挫。だが、同車種を欧州向けに調整し市場転換を図ることが即座に決定され、「スプリング」としてダチアのブランドで売り出すことになった。

著者のクリストフ・ミドラー氏は、フランス国立科学研究センター名誉研究局長、エコール・ポリテクニーク教授。マルク・アロシェ氏は、ルノーのエンジニアを経て、エコール・ポリテクニークの経営研究センター研究員。クリストフ・ドゥ・シャラントネ氏は、炭素フリーモビリティのコンサルティング企業M@Airの社長で、2017年から2020年まで、K-ZEプロジェクトの運営会社eGTの代表を務めた。


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