『生物を分けると世界が分かる』
-分類すると見えてくる、生物進化と地球の変遷
岡西 政典 著 | 講談社(ブルーバックス) | 256p | 1,100円(税込)


プロローグ 分類学者の日常
1.「分ける」とはどういうことか――分類学、はじめの一歩
2.分類学のはじまり――人は分けたがる生き物である
3.分類学のキホンをおさえる――二名法、記載、命名規約とは?
4.何を基準に種を「分ける」のか?――分類学の大問題
5.最新分類学はこんなにすごい――分子系統解析の登場と分類学者の使命
6.生物を分けると見えてくること――分類学で世界が変わる
エピローグ 分類学の未来


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

一見、地味で注目されることは少ないが、生物学の基礎となる学問の一つに「分類学」がある。
地球上の生物を分類し体系づけ「学名」をつける学問で、紀元前からアリストテレス、リンネ、ダーウィンなどの功績により発展。今ではDNA解析を取り入れ、生物多様性への取り組みに欠かせないものとなっている。

本書では、奇妙な海洋生物、クモヒトデに魅せられたことをきっかけに分類学にのめり込んだ研究者が、分類学の現状と歴史、展望についてつぶさに語っている。
Species 2000とIntegrated Taxonomic Information System(ITIS)のパートナーシップにより、生物の種の分類に関する100以上のデータベースが統合された「Catalogue of Life」によると、2022年6月の時点で、地球上には、分類され名前が分かっている生物が約204万種いるという。その一方で、存在が“分かっていない”生物が、少なく見積もってその倍以上、研究者によっては1億種を超えると推定されているそうだ。まだ発展の余地がある分類学は、“世界の理解”をどこまで進めてくれるのだろうか。

著者は広島修道大学人間環境学部助教。博士(理学)。文部科学省教育関係共同利用拠点事業(京都大学瀬戸臨海実験所)研究員、茨城大学理学部助教、東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所(三崎臨海実験所)特任助教などを経て2022年4月から現職。


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