『世界はさわらないとわからない』
-「ユニバーサル・ミュージアム」とは何か
広瀬 浩二郎 著 | 平凡社(平凡社新書) | 272p | 1,034円(税込)


はじめに──「さわれない」時代の「さわらない」人々へ
1.書く──手と頭を動かす
2.話す──口と体を動かす
おわりに──「誰一人取り残さない社会」は幸せなのか


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

先天的、あるいは病気や事故で視覚に障害を持った人たちのことを、つい「かわいそう」「不幸」と捉えがちではないだろうか。
確かに日常生活で支障をきたすことも多い一方で、彼らは、目が見える人には得られない感覚や能力を得ているという見方もできる。その最たるものが、点字を操るといった「触覚」である。

本書では、「ユニバーサル・ミュージアム=誰もが楽しめる博物館」を提唱する全盲の人類学者が、自ら企画・運営にあたり、2021年9月に開催した特別展「ユニバーサル・ミュージアム──さわる!“触”の大博覧会」の解説を中心に、有識者らとの対談を交えながら、「さわること」の無限の可能性を語っている。
コロナ禍により予定されていた開催期間から1年延期されて開催されたこの特別展では、「非接触」が推奨される社会状況だからこそ「さわること」の大切さを発信しなければ、との決意のもと「非接触社会から触発は生まれない」をスローガンにしていたという。

著者は国立民族学博物館准教授。13歳の時に失明し、筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。著書に『目に見えない世界を歩く』(平凡社新書)、『それでも僕たちは「濃厚接触」を続ける!』(小さ子社)などがある。


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