『日本の高山植物』
-どうやって生きているの?
工藤 岳 著 | 光文社(光文社新書) | 256p | 1,320円(税込)


1.高山植物という生き方
2.高嶺の花はなぜ美しい
3.お花畑ができる仕組み
4.高山植物のたどった道
5.消えゆくお花畑


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

チングルマやコマクサなど有名なものに限らず、森林限界を超えた高山帯に生きる高山植物には美しい花をつけるものが多い。強風が吹き、寒冷で夏が短い厳しい高山環境の中に、色とりどりの花が咲き乱れる「お花畑」が広がる。
過酷な環境と花の美しさは別の話のように思いがちだが、実は関係があるようだ。

本書は、著者自身の30年以上にわたる研究から明らかになってきた高山植物の生態を紹介し、ポリネーター(花粉の運び手)である虫との関係などを詳述している。
高山植物は、ポリネーターの獲得競争の中で、より魅力的で目立つ花を咲かせるように進化したと考えられるという。また、地形が複雑で変化に富む高山環境を生き残るためには、多様な遺伝子を持つ子孫を残す必要があることも、美しい花を咲かせることと関係しているようだ。本書ではまた、高山の生態系に気候変動が与える影響についても言及されている。

著者は北海道大学大学院地球環境科学研究院准教授。1962年東京生まれ。東京農工大学農学部林学科卒業、北海道大学大学院環境科学研究科博士課程修了。博士(環境科学)。大学院生の時から高山植物について研究を続けている。


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