『インド外交の流儀』
-先行き不透明な世界に向けた戦略
S・ジャイシャンカル 著 | 笠井 亮平 訳 | 白水社 | 278p | 3,630円(税込)


1.アワドの教訓──戦略的充足感の危険性
2.分断の技法──フラット化する世界の中のアメリカ
3.クリシュナの選択──新興大国の戦略文化
4.インドのドグマ──歴史由来の躊躇をいかに乗り越えるか
5.官僚と大衆──世論と西洋
6.ニムゾ・インディアン・ディフェンス──中国の台頭をどうマネージするか
7.遅れてやってきた運命──インド、日本、そしてアジアにおけるバランス
8.パシフィック・インディアン──海洋世界の再登場
エピローグ──新型コロナウイルスを超えて


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

2023年には人口が中国を抜き、世界一になると推定されるインド。経済成長だけでなく、米中が覇権を競う中、その間の調整役となり世界情勢を左右する重要な役割も担う国家としての存在感を増している。
世界秩序が揺れ動く中で、インドは何を考え、外交においてどのような行動をとろうとしているのだろうか。

本書では、現役のインド外務大臣が、同国の外交の基本的な考え方や方針、戦略を明かし、インドの台頭によって描き直される国際関係の見取り図を示す。
インド人の思考に深い影響を及ぼし、政策にもそれが反映されるものとして『マハーバーラタ』を取り上げている。同書は、紀元前4世紀から紀元4世紀にかけて成立したとされる叙事詩で、ヒンドゥー教の聖典の一つ。北インドを舞台に、パーンダヴァ王家とカウラヴァ王家の争いを軸に物語が展開される。その背景や登場人物の思考や行動に現代インドと共通するものがあるのだという。

著者は1977年にインド外務省に入省し、駐日大使館次席公使、駐チェコ大使、駐中国大使、駐米大使、外務次官などを歴任。退官後、2019年5月に発足した第2次モディ政権で外相に就任したほか、同年7月からは上院議員(インド人民党所属)も務めている。


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