『なぜ理系に女性が少ないのか』
横山 広美 著 | 幻冬舎(幻冬舎新書) | 234p | 1,034円(税込)


序.「理系女性問題」とは何か
1.理系女性の割合はOECD内で最下位
2.「数学・物理学に求められる能力」のイメージとは
3.男女差は生まれながらか環境要因か
4.学問分野にはジェンダーイメージがあった
5.学問分野から連想されるキーワード
6.中学生で物理が嫌いになる?
7.ジェンダー平等意識と理系進学の関係
8.親のバイアスはどう影響するか
9.数学・物理学の男性イメージはどう作られる?
10.壁を取り払ってくれるのはどんな情報?
終.残された謎と課題


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

IT社会の進展、AI等の科学技術の進歩に伴い、STEM(科学・技術・工学・数学)教育の重要性が各国で叫ばれるようになってきた。
日本では「理系」と総称されるSTEMだが、大学などで学ぶ学生数には男女差があり、女性が著しく少ない。この現象は、人材の多様性確保、機会の不平等などの点で望ましくないだろう。

本書では、自らが「理系女性」である研究者が、高等教育機関の理系学生の女性割合がOECD諸国の中でも最低である日本の現状を踏まえ、自らの調査や先行研究のデータを分析し、その理由を探っている。
理系学生割合の男女差は、学力差というよりも、就職の男性イメージや、女性は数学が苦手という根拠のない「数学ステレオタイプ」の影響が大きく、加えて「優秀さは男性のものであり女性には不要である」といった伝統的な「社会風土」にも原因があることをデータを用いて実証し、論を展開している。男女格差を解消するには、ロールモデルとなる女性研究者を可視化するなどの対策が考えられるという。

著者は、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構副機構長・教授。東京大学学際情報学府文化・人間情報学コース大学院兼担。東京理科大学理工学研究科物理学専攻・連携大学院高エネルギー加速器研究機構で博士号を取得後、専門を物理学から科学技術社会論に変更した。


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