『ドイツの刑務所にみる 社会の“影”』
Shadowland: The Story of Germany Told by Its Prisoners
Sarah Colvin 著 | Reaktion Books | 280p


1.統一、権利、自由:西ドイツ、1949年~68年
2.モデルと見栄え?:西ドイツ、1968年~89年
3.廃墟から復興へ:東ドイツ、1949年~89年
4.ウィンド・オブ・チェンジ:1989年以降のドイツ
あとがき 鏡と縮図


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

治安を守るために必要な“影”の場所として、どの国にも、いつの時代にも存在する「刑務所」。現代では、犯罪抑止、犯罪者の更生や社会復帰を目的に、各国の刑事司法制度と連動して設置されている。
だが、社会から「見えない」ゆえに、暴力や陰湿ないじめ、不正な取引などがまん延しがちな場所でもある。

未邦訳の英国書籍である本書は、西ドイツ、東ドイツ、および統一後のドイツそれぞれにおける刑務所の課題と改革への取り組みを収容者や元収容者、さらに改革運動に携わった人物たちの声を通じて紹介している。
第2次世界大戦終結後の大きな混乱の中で、暴力行為や非衛生的な環境など、悲惨な状況を極めたドイツの刑務所だが、1960年代に西ドイツにおいて改革の機運が高まり、ブラント政権による刑法改正に結びつくことになる。今では受刑者が選挙権を持つなど、他国と比べて改善の幅が大きいとはいえるが、さらに理想に近づけるには、もっと現状を世間にアピールしていくことが必要と著者は主張している。

著者のサラ・コルヴィン氏は、ケンブリッジ大学の教授。ドイツ語、文学理論、ジェンダー研究を専門とする。刑務所を拠点とした芸術と教育のプロジェクトに参加し、National Criminal Justice Arts Allianceのアドバイザリーグループメンバーでもある。なお、本ダイジェストでは主に、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)の刑務所改革の部分を取り上げている。


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