『正倉院のしごと』
-宝物を守り伝える舞台裏
西川 明彦 著 | 中央公論新社(中公新書) | 240p | 990円(税込)


1.正倉院とは
2.正倉院をまもる―保存
3.宝物をなおす―修理
4.宝物をしらべる―調査
5.宝物をつくる―模造
6.宝物をいかす―公開


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

奈良時代から1300年近くにわたり、計約9,000点にも及ぶ貴重な文化財である「宝物」を保存・保管してきた「正倉院」。遺跡などから出土したのではなく、人の手によって守られてきたこれだけのコレクションは、世界的にも珍しいのだという。
どのようにして伝えられてきたのか。

本書では、今に至るまで宝物群を守り伝えてきた、正倉院にまつわる人たちがいかなる「しごと」をしてきたのかを、保存・修理・調査・模造・公開に分けて詳しく紹介している。
奈良の東大寺、大仏殿の後ろ側に位置する正倉院は、普段は天皇の宸筆(しんぴつ。直筆の書)を竹の皮で包んだ「勅封」によってその扉が封鎖されており、むやみに開封されることがない。それに加え、何度かの曝涼(虫干し)や点検を経るとともに、必要最低限の修理・復元を施すことで、正倉院宝物は、長い年月にわたり慎重に保存されてきた。現代では、「再現模造」によって、当時の職人たちによる「わざ」や「天平の気分」を伝える取り組みも行われている。

著者は、1961年京都市に生まれる。1988年より宮内庁正倉院事務所勤務、整理室長、調査室長、保存科学室長、保存課長、所長などを歴任。博士(美術)。


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