『小売業と不動産業の境界領域に関する研究』
-百貨店とショッピングセンターのビジネスシステム
池澤 威郎 著 | 同友館 | 432p | 4,180円(税込)


序.背景と課題
1.先行研究の整理:「取引システム」と「ビジネスシステム」
2.研究手法
3.買取仕入と消化仕入の「使い分けモデル」(A)
4.賃貸借(賃料方式)と小売(仕入形態)の「使い分けモデル」(B)
5.百貨店のSC化(ビジネスシステムのレベル分析)
6.SCの百貨店化(1)(「短期取引─DV主導組織」の構図)
7.SCの百貨店化(2)(一体性のマネジメントと組織能力の獲得モデル)
8.百貨店のSC化(1)「シームレス化」
9.百貨店のSC化(2)「並存化(ゾーン化)」とFC化
10.SCの百貨店化(1)駅ビルのビジネスシステム確立
11.SCの百貨店化(2)飲食・食物販集積の一体性獲得モデル
12.百貨店の位置づけの変容(1)「百貨店のテナント化」
13.百貨店の位置づけの変容(2)「SCのマルチアンカー化」
14.結論:小売業と不動産業の境界領域
補.コロナ禍における商業空間の変容とデジタル化への対応(試論的拡張)


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

アマゾンをはじめとするECの伸長、さらにコロナ禍によるリアル店舗の苦境が続く。とりわけ旧来の百貨店をめぐる状況は厳しいが、その一方で特に都心部などの駅前再開発が進み、駅ビルやショッピングセンタータイプの店舗が集客に成功したりもしている。
小売の「場所」に変化のトレンドが見られるようだ。

本書では、総合型商業施設として、百貨店事業(小売業)とショッピングセンター(SC)事業(商業不動産業)が接近し、その境界領域に新たなビジネスモデルが登場するなどの状況変化を分析。「百貨店のSC化」「SCの百貨店化」といった形態について、多数の事例を挙げながらその背景やメリット・デメリット、経営原理を明らかにする。
東京・渋谷再開発の一環として2012年にオープンした「ヒカリエ」にて東急百貨店が運営する商業施設 ShinQs(シンクス)は、百貨店としては狭隘なスペースゆえに、ターゲットを明確にした、シームレスな「百貨店のSC化」に成功している。

著者は阪南大学流通学部准教授。博士(経済学)。JR系百貨店にて開業準備業務及び運営業務を行った後、ショッピングセンターの新規事業開発と運営に携わる。福山市立大学都市経営学部准教授を経て、2022年4月より現職。


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