『種子探偵』
-品種開発と農業の新たな可能性を探る
The Seed Detective: Uncovering the secret histories of remarkable vegetables
Adam Alexander 著 | Chelsea Green Publishing | 320p


1.東洋からの来訪者
2.西洋からやってきたもの
終.希望の種子


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

私たちがふだんスーパーなどで購入する野菜のほとんどは「F1種」という、一世代しか同じ形質を受け継げない種子から育ったもの。均一な品質で大量生産できるのがメリットだ。
だがその一方で、「固定種」と呼ばれる、伝統農法で育ち、その土地特有の味や形質を何代も受け継ぐ種子が駆逐されつつあるようだ。

原書が米国で発刊された未邦訳の本書は、様々な国を訪れ地域の野菜の種を集める著者が、豆類からトマト、長ネギにいたるまで、さまざまな野菜の歴史や、興味深いエピソードを紹介。それらをもとに、食の社会的・文化的な側面、生物多様性や環境問題について、幅広く論じている。
種子会社や農業企業が、F1種を使って効率的に大量生産を行う一方で、個人育種家が固定種の新品種を開発するなど、伝統農法、有機栽培などにより、食の安全や持続可能性をめざす試みが続いているようだ。

著者のアダム・アレクサンダー氏は40年にわたり、映画・テレビのプロデューサーとして活躍する一方、絶滅が危惧される美味しい野菜を探し、栽培することに情熱を注いでいる。有機栽培農法に関する研究などを行う慈善団体「ガーデン・オーガニック」の役員も務める。


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