安田 登 著 | 新潮社(新潮新書) | 223p | 760円(税別)

1.能はこうして生き残った
2.能はこんなに変わってきた
3.能はこんなふうに愛された
4.能にはこんな仕掛けが隠されていた
5.世阿弥はこんなにすごかった
6.能は漱石と芭蕉をこんなに変えた
7.能は妄想力をつくってきた
8.能を知るとこんなにいいことがある

【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

日本の代表的な伝統芸能の一つに「能」がある。約650年前の室町時代に観阿弥、世阿弥父子によって大成されたもので、現代まで一度も廃れることなく上演され続けている。これだけ長く演じられる舞台芸術は世界でも稀有であり、2008年には日本初のUNESCO無形文化遺産に選ばれた。本書では、それだけ長く続く能の「仕掛け」を解き明かす。世阿弥が完成させた「夢幻能」や能舞台などを題材に、能を演じる、能を見るとはどういうことか、能は人の内面にどのように働きかけるかを探っている。能は、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)といった最新技術とも関わっているのだという。著者は現役の下掛宝生流能楽師。高校教師をしていた24歳の頃、初めて能の舞台を見て衝撃を受け、下掛宝生流の鏑木岑男氏に入門。現在は能のメソッドを使った作品の創作、演出、出演を行うほか、日本と中国の古典に描かれた“身体性”を読み直す試みを継続している。

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