佐藤 優 著 | 集英社インターナショナル(インターナショナル新書) | 192p | 700円(税別)

序.なぜ今、ファシズムを学ぶ必要があるのか
1.ファシズム前史のイタリアとムッソリーニ
2.ファシズム独裁の誕生と死
3.ファシズムの内在的論理
4.ファシズムを用意した「生の哲学」
5.テクノロジーとしてのファシズム
6.日本でファシズムは可能か


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

欧米諸国での格差の拡大や、ナショナリズムの広がりを懸念する声は小さくない。そこから、第二次世界大戦前夜のファシズムの勃興を連想する人もいるかもしれない。だが、本書の著者、佐藤優氏は、現代日本人はファシズムの思想や論理を理解していないと指摘する。ファシズムはイタリアのムッソリーニ率いる国家ファシスト党の政治運動や思想を指す言葉だが、実は相違点の多いヒトラーによるナチズムと混同しがちで、「悪」のイメージで捉えられすぎているというのだ。本書では、意外にも福祉国家とも親和性が高い本来のファシズムについて、その提唱者であるムッソリーニの思想や、第二次世界大戦時の行動を追いつつ、その論理を分析。さらに、排外主義的なファシズムが日本で台頭する可能性と、それを防ぐにはどうしたらいいかを考察している。著者は元外務省主任分析官の作家で、多数の著書がある。

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