倉都 康行 著 | 岩波書店 | 208p | 1,800円(税別)

序.危機の残滓リーマン・ショックから10年
1.放置された資本システム・リスク
2.中国は世界経済の勝者になれるか
3.不完全通貨「ユーロ」
4.安定性を失う米国
5.日本の歪んだ資本システム
6.世界資本システムの危機


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

世界を震撼させた「リーマン・ショック」から10年。この間の各国政府による金融政策などにより、世界経済は「世界同時好況」と呼ばれるほどの安定性を取り戻したかに思える。だが一方で現代の世界には安定を脅かすさまざまな撹乱材料があり、資本市場のシステム自体に歪みが生じているのだという。本書では、資金を資本化するという資本市場を健全に動かすダイナミズムを「資本システム」と名づけ、その観点から、債務超過、通貨の不安定性、保護主義貿易、地政学リスクなど、今の世界経済に埋め込まれた時限爆弾ともいえる負の要因を指摘。それらがどのように資本システムを歪ませているのか、詳細かつ冷静に分析を加えている。著者は東京銀行で東京、香港、ロンドンの国際資本市場業務に携わった後、バンカース・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージングディレクターを経て、現在RPテック代表取締役、産業技術大学院大学グローバル資本システム研究所長を務める。

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