アランナ・ミッチェル 著 | 熊谷 玲美 | 光文社 | 352p | 2,500円(税別)

はじめに 宇宙と遊ぶ
安さはすべてを変化させる
1.磁石
2.電流
3.コア
4.逆転
解説 ブリュン、松山、そしてチバニアン(渋谷秀敏)


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

私たち人類が築き上げた文明社会に壊滅的な被害をもたらすかもしれないリスクとして、通常思い浮かべるのは、大地震や気候変動、核戦争といったところだろうか。しかし、一般的に話題に上ることは少ないが、実は最大とも言える深刻な事態をもたらすかもしれない自然現象がある。「地磁気逆転」である。本書では、遠くない将来に起こりうる、地球の磁場におけるN極とS極が逆転する「地磁気逆転」によって何が起きるかを、これまでの科学者たちのアプローチを辿りながら探る。地球は巨大な磁石であり、北極と南極を両極とする磁場で覆われているが、実はその南北の磁極は、長い地球の歴史の中で何度も入れ替わっている。ただ、現時点で最後に逆転したのは87万年前、人類が出現する以前のことだ。ところがここに来て、再び逆転する兆候が見られるという。逆転する数百年から数千年間は、有害な宇宙線や太陽からの高エネルギー粒子から地球を守っていた磁場が薄くなる。保護されなくなった地球は、そして人類はどうなるのだろうか。著者はカナダのトロント在住の科学ジャーナリスト。ニューヨーク・タイムズなどに寄稿するほか、CBCラジオの科学番組にも協力している。

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