「食虫植物」の不思議
原題:Carnivorous Plants
Dan Torre 著 | Reaktion Books | 224p


1.食虫植物の博物誌
2.虫は食べられるだけではない
3.驚くべき発見
4.「人食い植物」の攻撃
5.格調の高い食虫植物
6.食虫植物の園芸


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

生物の多様性を実感させてくれる存在の一つに「食虫植物」がある。地に根を張る草でありながら動物のように「捕食」を行う、奇妙な植物だ。
その独特な形状と生態から、食虫植物は絵画や文学、映画、ゲームのキャラクターなどのモチーフになってきた。
だが、いまだに未知の部分が多い謎の植物である。

本書は、あらゆる角度から食虫植物にスポットを当て、豊富な写真とイラストとともに、その謎に迫っている。
分類や生態、発見・観察・研究の歴史、医療や食など人間との関わり、アートや文学、映画・テレビ、ゲームなどでの扱われ方、絶滅からの保護、そして鑑賞物としての育て方までを網羅。
浮かび上がるのは、根から十分な養分を得られないがゆえにやむなく「捕食」を始め、エサであるはずの虫と合理的なかたちで共生するといった、複雑かつしたたかな食虫植物の生存戦略である。
著者は、オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学デザインスクールの上級講師。アニメーションを専門とする研究者だが、趣味の園芸が高じて植物研究家としても活動を続けている。

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