『「うつ」は炎症で起きる』
エドワード・ブルモア 著 | 藤井 良江 | 草思社 | 240p | 1,600円(税別)


1.うつ病に関するまったく新しい考え方
2.免疫系とは何か、何をしているのか
3.炎症とうつの関係が無視された理由
4.医学はうつ病をどう扱ってきたか
5.どのようにうつは炎症で起きるか
6.なぜ免疫系はうつ病を起こさせるのか
7.これでうつ病治療は変わるのか


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

2017年に発表された世界保健機関(WHO)の報告書によると世界の「うつ病」患者数は、10年で約18%も増加したという。
自殺原因の筆頭に挙がることも多いうつ病には、的確な治療と予防が求められる。
そのためには原因の解明が必須だが、ここにきて有力な“容疑者”が浮上している。「炎症」だ。

本書では、従来「心」の問題と捉えられることが多かった「うつ病」に、身体の免疫系が引き起こす「炎症反応」が関係する、という新たな理論を、事例を用いながら詳しく解説。
長年にわたり治療法に進展のなかったこの病に、有効なアプローチが可能であることを示唆する。
身体の疾患を気に病み、将来に絶望するなどといった思考や感情が「うつ」の原因ではなく、「炎症」がダイレクトにうつ病発症に結びつくことを、疫学調査や実験、症例などをもとに立証を試みている。
著者は、ケンブリッジ大学の精神医学科長、および臨床神経科学学科のウルフソン脳イメージングセンター長。神経科学およびメンタルヘルス分野の世界的エキスパートとして知られる。

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