『ケーキの切れない非行少年たち』
宮口 幸治 著 | 新潮社(新潮新書) | 182p | 720円(税別)


1.「反省以前」の子どもたち
2.「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年
3.非行少年に共通する特徴
4.気づかれない子どもたち
5.忘れられた人々
6.褒める教育だけでは問題は解決しない
7.ではどうすれば? 1日5分で日本を変える


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

ニュースなどで時折、にわかには信じがたい残虐な手口や、理解が難しい短絡的な動機の少年犯罪が報じられる。
そこまで行かなくても、後先考えずに窃盗や傷害などの罪を重ね、少年院に収監される少年は後を絶たない。
彼らの中には、心からの反省ができず、更生や矯正が難しい者も少なくないようだ。

本書では、「ホールケーキを3等分に切れない」といった基本的な認知機能に問題を抱える非行少年たちの実態を紹介。
少年による重大な犯罪行為や粗暴な言動、そして少年院などに収監後の更生・矯正がなかなかうまくいかない原因の一つに認知機能の障害があると分析する。
また、そうであるにも関わらず、いきなり反省を強いたり、難しい課題を解かせる矯正教育の現場の問題を、それまでの学校教育における同様の問題と合わせて指摘。
著者自身が開発した認知機能の向上プログラム「コグトレ」などの実践も踏まえた、具体的な対策を提言している。
著者は建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業、児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務してきた。現在は立命館大学産業社会学部教授。

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