『国連事務総長』
田 仁揆 著 | 中央公論新社 | 336p | 2,500円(税別)


1.国連事務総長の誕生
2.事務総長の役割 ―セクレタリーかジェネラルか
3.トリグブ・リー ―世界で最も不可能な仕事
4.ダグ・ハマーショルド ―レジェンド
5.ウ・タント ―第三世界の擡頭
6.クルト・ワルトハイム ―対立の時代
7.ハビエル・ペレズ・デクエヤル ―冷戦の終焉
8.ブトロス・ブトロス‐ガリ ―超大国と喧嘩した男
9.コフィー・アナン ―地球市民のための国連
10.パン・ギムン(潘基文)―顔の見えない国連
11.国連はどこへ行く?


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

2020年は国際連合(国連)が創設されて75周年にあたる。
その間、「国連の顔」として組織を、そして多様な加盟国をまとめ、世界平和に貢献してきたのが「事務総長」である。
しかし、国連事務総長が実際にいかなる権限を持ち、どのように行動しているかを正しく知る人は少ないのではないか。

本書では、四半世紀にわたり国連本部に勤務し、4人の事務総長に仕えた著者が、国連事務総長の位置付けや役割について概説。
その上で、初代トリグブ・リー 氏(ノルウェー出身)から第8代潘基文氏(韓国出身)までの各事務総長の足跡と、現在の第9代アントニオ・グテーレス氏(ポルトガル出身)の選考過程を辿り、歴代の国連事務総長が実際にどのような役割を果たしてきたかを読み解く。
国連事務総長の任期は5年で、これまでの事務総長は最長2期まで務めているが、いずれも第二次大戦後の東西冷戦期、あるいは冷戦終焉後の国際情勢の中で、いかに紛争を解決し、平和を維持するかに粉骨砕身の努力をしてきた。
著者は、1988年国連本部に奉職し、2014年に退官するまで、国連事務局改組、ミャンマーの国民和解及びネパールやモルジブの民主化問題などを担当した。現在はニューヨークを拠点に執筆活動を行っている。

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