『デジタル時代の競争政策』
杉本 和行 著 | 日本経済新聞出版社 | 164p | 1,800円(税別)


はじめに “競争”について考える
1.経済社会の変化と独占禁止法
2.競争政策の展開
3.デジタル時代の競争政策


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

戦後間もない1947年に制定・施行された独占禁止法。以来、同法の執行により、不当・不正な取引を取り締まることで競争的な市場環境を維持する重責を担ってきたのが公正取引委員会である。
従来はカルテルや談合の摘発に重点を置いていた公取委だが、デジタル時代を迎え、その役割が広がっているようだ。

本書では、現・公正取引委員会委員長である著者が、デジタル化をはじめとする経済や社会の変化に伴い拡大しつつある、公取委と独禁法の役割について論じている。
公取委が担う競争政策(競争的な市場環境を維持・促進することで経済成長を実現するための政策)の変遷やその基本をおさえた上で、GAFAに代表されるデジタル・プラットフォームと消費者のデータのやり取りも、独禁法の対象となる取引と解釈されることを示し、実際にどのような方針で公取委が動いているのかを紹介。
日本経済の成長のためにはイノベーションが必要であり、それを活発にするために市場の公正を維持することが必要であると強調する。
著者は大蔵省(現・財務省)主計局長、財務事務次官、みずほ総合研究所理事長等を経て、2013年から公正取引委員会委員長を務める。

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