『誰が科学を殺すのか』
毎日新聞「幻の科学技術立国」取材班 著 | 毎日新聞出版 | 272p | 1,500円(税別)


1.企業の「失われた30年」
2.「選択と集中」でゆがむ大学
3.「改革病」の源流を探る
4.海外の潮流


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

日本の「科学」の“凋落”が激しいという。
文部科学省科学技術・学術政策研究所の報告によると、引用回数上位10%以内の質の高い科学論文の国別シェアで、日本は2003~05年の4位から、9位に転落。
科学技術に基盤をおくメーカーの国際競争力の低下も否めない。
「科学技術立国・日本」はどこに行ったのか。

本書では、毎日新聞科学環境部の記者たちが、独自取材やアンケート調査、各種公式データなどから、将来のノーベル賞受賞者の輩出を難しくするかもしれない、日本の「科学研究力の失墜」の実態とその原因をリポート。
直近の成果を生みづらい基礎研究の比重を各企業が減らすようになり、政府が成果を見込めそうな特定分野に公的研究資金の過度の「選択と集中」を行った結果、大学の研究現場も疲弊していると分析する。
本書のベースとなっているのは2018年から19年にかけて毎日新聞科学面に連載された「幻の科学技術立国」であり、連載当時、科学環境部に在籍した西川拓氏がデスクを、須田桃子氏が取材班のキャップを務めた。

SERENDIP会員の方は本ダイジェストをこちらからお読みいただけます。