『団地へのまなざし』
ローカル・ネットワークの構築に向けて
岡村 圭子 著 | 新泉社 | 296p | 2,700円(税別)


序.団地への視角
1.団地へのまなざし
2.ローカルな記憶の記録
3.団地のローカル・ネットワーク
4.松原団地の相互扶助的な関係
終.団地をめぐる現代の問題


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

「団地」という言葉に高度成長期のイメージが重なる人は少なくないだろう。
実際、日本住宅公団(現・UR都市機構)が団地と呼ばれる大規模な集合住宅を建て始めた1950年代半ばは高度成長期の入り口であり、2000年代から老朽化に伴い建替えが進み、「団地」という名称も外されることが多い。

本書では、戦後の日本の発展を象徴する「団地」にスポットを当てる。
高所得世帯でないと入居が難しかった当初から、高齢化が進み、建替えと名称変更が相次ぐ現代までの団地の変遷を団地住民の目線で捉えるとともに、団地の「閉鎖性」を映画などから読み解いてゆく。
さらに埼玉県草加市の松原団地を事例に、ローカル・ネットワークのあり方を分析。
6,000戸弱の規模を誇った松原団地は、今では当初の建物が取り壊され高層マンションなどに生まれ変わった。2017年には最寄り駅の名称が「松原団地駅」から「獨協大学前駅」に変更されている。
著者は1974年生まれで、獨協大学国際教養学部教授。社会学(異文化間コミュニケーション)と社会情報学(ローカル・メディア)を専門としている。

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