『アイロニーはなぜ伝わるのか?』
木原 善彦 著 | 光文社(光文社新書) | 224p | 780円(税別)


1.言葉のアイロニー
2.アイロニーのメンタル・スペース構造
3.文学作品におけるアイロニー


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

遅刻してきた人に対し「ずいぶんとお早いお着きですね」など、言いたいことの逆を言って非難したり、からかったりすることは、日常生活でよくあるのではないだろうか。
こうした表現は「アイロニー」といい、「皮肉」と訳されることが多い。
しかし、逆のことを言うアイロニーが、なぜ相手に伝わるのだろうか。

本書では、文学作品にも多用される、ウィットに富んだ修辞的表現である「アイロニー」の構造に、認知言語学の「メンタル・スペース理論」などからアプローチ。
豊富な具体例を挙げながら、現実とは正反対のことを言っているのに、真意が相手に伝わる不思議なコミュニケーションの謎に迫っている。
アイロニーは、「期待」と「現実」の対照を相手に示すことで、真意を伝える表現のようだ。
著者は、大阪大学大学院言語文化研究科教授で、現代英語圏文学を専門としている。

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