『QRコードの奇跡』
モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ
小川 進 著 | 東洋経済新報社 | 236p | 1,800円(税別)


1.源流――アナログかんばんから電子かんばんへ
2.開発――思索から実践へ
3.標準化――国内単一業界から国際多業界へ
4.進化――企業ユーザーだけでなく消費者も
結.QRコードを通じて経営を考える――革新の神が宿るところ


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

近年はキャッシュレス決済の主役に躍り出るなど、その存在感が増している「QRコード」。1994年にトヨタグループのデンソーが開発した、“日本発”国際標準の技術である。
もとはトヨタ生産システムの効率化のための技術だったQRコードは、どのような経緯で開発され、世界に広まったのだろうか。

本書では、QRコードの前身であるデンソー独自のバーコード「NDコード」の開発に始まり、国際標準化、そして多様な業界で使用されるまでのQRコードをめぐる歴史を紐解く。
トヨタの「かんばん方式(ジャストインタイム)」でやり取りされる伝票をコンピュータ化するためにNDコードが開発され、自動車の製品多様化により増加した情報量を処理するためにQRコードが発明された。
そして、QRコードは携帯電話に標準装備され、航空機のチケットに使われ、キャッシュレス決済にまで、実に広い用途に用いられることになる。
著者は、神戸大学大学院経営学研究科教授、MITリサーチ・アフィリエイト。イノベーション、経営戦略、マーケティングを研究領域としている。

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