『トラックドライバーにも言わせて』
橋本 愛喜 著 | 新潮社(新潮新書) | 223p | 760円(税別)


1.トラックに乗ると分かること
2.態度が悪いのには理由がある
3.トラックドライバーの人権問題
4.高い運転席だから見えるあれこれ
5.物流よ、変われ


【要旨】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

必要物資の流通やネット通販など、これまで以上に「物流」の重要性が問われる社会情勢になってきた。
その物流を実際に動かすエンジンであり、人体にたとえるなら「血液」ともいえるのが「トラックドライバー」である。
しかし彼らは、過酷な労働環境と、それも一因である深刻な人手不足に見舞われている。

本書では、大型自動車一種免許を持つ女性トラックドライバーだった著者が、物流の担い手として尊重されるどころか、時に“底辺職”とまで言われたり、何かと邪魔もの扱いされがちなトラックドライバーたちの内情を明かしている。
たとえばトラック運転手が、一見、傍若無人にハンドルの上に足を上げて路上駐車しているのは、荷主や労働基準の都合で不規則な「待ち」の時間が発生してしまい、寝てしまってもすぐ起きられるように不安定な姿勢で休憩しているからだという。

著者はフリーライターで、元工場経営者、日本語教師。ブルーカラーの労働環境、災害対策、文化差異、ジェンダー、差別などに関する社会問題を中心に執筆活動を行っている。

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