『サラ金の歴史』
-消費者金融と日本社会
小島 庸平 著 | 中央公論新社(中公新書) | 360p | 980円(税別)


序.家計とジェンダーから見た金融史
1.「素人高利貸」の時代――戦前期
2.質屋・月賦から団地金融へ――1950~60年代
3.サラリーマン金融と「前向き」の資金需要――高度経済成長期
4.低成長期と「後ろ向き」の資金需要――1970~80年代
5.サラ金で借りる人・働く人――サラ金パニックから冬の時代へ
6.長期不況下での成長と挫折――バブル期~2010年代
終.「日本」が生んだサラ金


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

個人への少額の融資を行う「サラ金」とも呼び慣わされる消費者金融。1960年代半ばから台頭した同業界は、多重債務者や苛烈な取り立てなどが社会問題化し規制を受ける一方で、生活困窮者のセイフティネットとしても機能してきた。
サラ金は、日本社会の変化の中でどのような成長の軌跡を辿ったのか。

本書では、戦前の素人高利貸から質屋、団地金融などを経て進化した消費者金融(サラ金)の、その起源に遡れば1世紀にも及ぶ歴史を振り返る。近現代の日本社会や日本経済が経験したダイナミックな変化や、人々の生活や労働との関わりなどを、多数の史料や資料をもとに検証している。
営利を目的とするサラ金が、公的扶助に代わり貧困層へのセイフティネットとなるという「奇妙な事態」は、規模拡大や効率化を図るサラ金各社の経営努力によって生じたのだという。

著者は東京大学大学院経済学研究科准教授で、日本経済史、日本農業史を専門とする。著書に『大恐慌期における日本農村社会の再編成』(ナカニシヤ出版)がある。なお、ダイジェストでは原文にある出典の表記を省略している場合がある。


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