『世界の目』
-コンゴ民主共和国の手掘り採掘人が支えるデジタル時代
James H. Smith 著 | The University of Chicago Press | 360p


1.世界の目
2.戦争の話
3.マジックチェーン
4.廃墟の中の鉱業の未来
5.動きのある時代のビシエ
6.森の昆虫
7.ビシエを巡る戦い
8.閉鎖
9.タグ・ゲーム


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

スマートフォンやPCといったデジタル機器の部品に欠かせないコバルト、タンタル、スズなどの金属。その鉱物の世界的な主要産地の一つが、アフリカ中央にあるコンゴ民主共和国(DRC)東部地域である。
同地域では、現地の人々による手掘りによる採掘が広く行われており、2021年5月のロイターの記事によると15~20万人程が従事していると言われる。

未邦訳の米国書籍である本書は、手掘り採掘で成り立つ現地社会を詳細に調査、分析している。しばしば紛争や犯罪とともに語られることがある地域だが、地域の人々が協力し合って採掘に当たり、採掘活動を中心に現地の経済が回るなど、平和的なコミュニティ構築の側面もあるようだ。
一方、紛争低減を本来の目的として設計された鉱物のトレーサビリティの仕組みが、かえって採掘人の「排除」を生み、現地社会を不安定化させる一因にもなっていることを指摘している。

著者は、米国カリフォルニア大学デイビス校の人類学教授。アフリカ諸国の社会と文化を主な研究フィールドとしている。


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