『歴史人口学で見た日本〈増補版〉』
速水 融 著 | 文藝春秋(文春新書) | 256p | 990円(税込)


1.歴史人口学との出会い
2.「宗門改帳」という宝庫
3.遠眼鏡で見た近世 ――マクロ史料からのアプローチ
4.虫眼鏡で見た近世 ――ミクロ史料からのアプローチ
5.明治以降の「人口」を読む
6.歴史人口学の「今」と「これから」
特別附録 歴史人口学―成立・資料・課題


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

人類の未来を語れる「知の巨人」の一人に、エマニュエル・トッド氏がいる。同氏の肩書きの一つは「歴史人口学者」だが、歴史人口学という学問分野は、日本ではあまり馴染みがないかもしれない。
この分野の日本における嚆矢(こうし)となったのが、国際日本文化研究センターの速水融(あきら)名誉教授(1929-2019)である。

本書では、日本の歴史人口学のパイオニアである速水融氏が、自らの研究人生を振り返りながら、具体的な研究事例などを交えて、歴史人口学という学問分野のエッセンスを伝える。歴史人口学とは、国勢調査等でデータが整備される近代より前の人口動態や人口静態を分析する学問。
速水氏は、江戸時代の濃尾地方の人口データを分析することで日本人の勤勉さのルーツを明らかにし、産業革命に対する「勤勉革命」を提唱した。エマニュエル・トッド氏は、自著『家族システムの起源』(藤原書店)の中で日本について詳細な分析ができたのは、速水氏が創始した“速水学派”の研究のおかげと語っているという。

速水融氏は、日本常民文化研究所研究員、慶應義塾大学教授、国際日本文化研究センター教授、麗澤大学教授を歴任。2009年文化勲章受章。


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