『我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上』
-アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか
エマニュエル・トッド 著 | 堀 茂樹 訳 | 文藝春秋 | 384p | 2,420円(税込)


 序.家族構造の差異化と歴史の反転
 1.家族システムの差異化―ユーラシア
 2.家族システムの差異化―先住民たちのアメリカとアフリカ
 3.ホモ・サピエンス
 4.ユダヤ教と初期キリスト教―家族と識字化
 5.ドイツ、プロテスタンティズム、世界の識字化
 6.ヨーロッパにおけるメンタリティの大変容
 7.教育の離陸と経済成長
 8.世俗化と移行期の危機
 9.イギリスというグローバリゼーションの母体
 10.ホモ・アメリカヌス


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

通常は経済学や政治学で分析される現代世界の危機や混乱を、人類学的見地から検証することで、より根本的な知見や解決策が見出せるかもしれない。各国は歴史的に培われた価値観にもとづいて行動しているからだ。
歴史人口学者エマニュエル・トッド氏はその手法をとる。

本書は、エマニュエル・トッド氏が、太古のホモ・サピエンス誕生から現代世界までの人類史を描いた歴史書である。政治や経済は、教育、宗教、家族といった人類学的土台に規定されているというのが、トッド氏のアプローチだ。
上巻では、各国・地域の人々の行動の深層にある「家族システム」についてその類型を紹介しつつ、18世紀以来の世界史を英米がリードしてきたのはなぜかを解明する。現代の英米で支配的な家族システムは「核家族」であり、それは新石器時代の狩猟採集民とさほど変わらないが、原初に近い家族システムが、西洋の近代を生み出したという逆説が明かされる。

著者はフランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、「ソ連崩壊」「米国発の金融危機」「アラブの春」を、さらにはトランプ勝利、英国EU離脱なども次々に“予言”。著書に『エマニュエル・トッドの思考地図』(筑摩書房)などがある。なお、ダイジェストでは、序章のうち、3節から抜粋した。


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