『我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下』
-民主主義の野蛮な起源
エマニュエル・トッド 著 | 堀 茂樹 訳 | 文藝春秋 | 320p | 2,420円(税込)


11.民主制はつねに原始的である
12.高等教育に侵食される民主制
13.「黒人/白人」の危機
14.意志と表象としてのドナルド・トランプ
15.場所の記憶
16.直系家族型社会―ドイツと日本
17.ヨーロッパの変貌
18.共同体家族型社会―ロシアと中国
追伸―リベラル・デモクラシーの将来


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

日本とドイツは地理的には離れているが、ともに製造業と輸出産業に強みを持ち、世界有数の高齢化という悩みを抱えている。両国の共通性の深層には「直系家族」という家族システムがあるという。
しかし、それが両国の少子化につながり、ドイツに関してはEUやユーロをめぐる問題の一因にもなっているようだ。

本書は、太古のホモ・サピエンス誕生から現代世界までの人類史を描いた歴史書である。下巻では、米国、ドイツと日本、ヨーロッパ、ロシアと中国の現状について分析する。
基礎になるのは上巻で解説される「家族システム」の類型。英米などで支配的な「核家族」は、一組のカップルを家族の基本とし、子どもは成長すると家を出て新たな家族を作る。日本やドイツなどの「直系家族」は、後継ぎとしての長男のカップルが親と同居する。「共同体家族」は兄弟が平等に権威主義的な親と結びつく類型だ。

著者はフランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、「ソ連崩壊」「米国発の金融危機」「アラブの春」を、さらにはトランプ勝利、英国EU離脱なども次々に“予言”。著書に『エマニュエル・トッドの思考地図』(筑摩書房)などがある。なお、ダイジェストは第16章の二つの節から抜粋した。


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