『シチリアの奇跡』
-マフィアからエシカルへ
島村 菜津 著 | 新潮社(新潮新書) | 239p | 902円(税込)


プロローグ 自由(リーベロ)という名の男
1.町の負のイメージをいかに覆すか
2.マフィアは情報と戯れる
3.故郷のために命をかけた二人の判事
4.さよなら、みかじめ料運動
5.恐怖のマフィア博物館
6.押収地をオーガニックの畑に
7.食品偽装と震災復興
8.もう、そんな時代じゃない
エピローグ 民主主義とエシカル消費


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

イタリア半島の南西に位置するシチリア島から、映画『ゴッドファーザー』を連想する人は多いだろう。実際、多くの観光客が映画のイメージを求めてシチリアを訪れるという。しかし、住民たちは長年にわたってマフィアと闘い続けてきた。
現在も、町の負のイメージを払拭するためのさまざまな活動が行われている。

本書は、19世紀以降にシチリアでマフィアが勢力を持った背景や、命をかけて闘ってきた人々の姿、また、現在行われている取り組みなどを丁寧に取材し、紹介している。
シチリアに適した柑橘栽培が国際市場に注目され、主に農産物の輸送の際の護衛、また安い労働力を管理する役割としてマフィアが生まれたという。近年は、暗い歴史とイメージを覆し、次世代に美しい島を残すために、マフィアからの押収地をオーガニックの畑にする活動や、人や環境に負荷をかけず、不正とも無縁のエシカル消費が推進されているようだ。

著者はノンフィクション作家。1963年長崎生まれ、福岡育ち。東京藝術大学卒。著書に『スローフードな人生!』『スローシティ』『エクソシストとの対話』などがある。


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