『教育大国シンガポール』
-日本は何を学べるか
中野 円佳 著 | 光文社(光文社新書) | 240p | 924円(税込)


1.教育優等生のシンガポール?
2.もう1つの教育競争――グレード化する習い事
3.「教育役割」の罠
補論 日本の家事や育児外注
4.「教育と仕事の両立」とジェンダー平等


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

大学評価機関クアクアレリ・シモンズ(QS)による「2022年世界大学ランキング」でシンガポールの「シンガポール国立大学」と「南洋理工大学」が世界11位と12位、アジア1位と2位にランクインした(東京大学は世界23位、アジア6位)。
圧倒的な教育大国として知られる同国は、どんな課題を抱えているのか。

本書では、5年間シンガポールで暮らした教育社会学者、ジャーナリストである著者が、取材やインタビュー調査などを通じて、シンガポールの教育システムの実態をリポートしている。
シンガポールでは、小学校修了段階でPSLEという国家統一試験を受け、その結果によって卒業後の進路が決まる。そして、それを皮切りに、課程修了ごとに試験が繰り返され、そのすべての成績や学歴が、就職先や賃金に影響を及ぼす。それに応じて子どもがまだ小さいうちから親子で激しい競争環境に置かれることになり、ストレスや格差の問題を引き起こしているようだ。

著者は、日本経済新聞社にて大企業の財務や経営、厚生労働政策などの取材を担当し、育休中に立命館大学大学院先端総合学術研究科に入学し、修士論文をもとに2014年『「育休世代」のジレンマ――女性活用はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)を上梓する。2015年よりフリージャーナリスト、東京大学大学院教育学研究科博士課程に在籍している。2022年より東京大学男女共同参画室特任研究員。


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