『人新世の人間の条件』
 ディペシュ・チャクラバルティ 著 | 早川 健治 訳 | 晶文社 | 180p | 1,980円(税込)


講義1 時代意識としての気候変動
講義2 人間が中心ではなくなるとき、あるいはガイアの残り
『人新世の人間の条件』に寄せて


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

気候変動が、人類の存亡にもかかわる最重要課題であることは言を俟たない。対策として、京都議定書をはじめとする国家間での取り決めといった「政治的」な取り組みがなされてきた。
だが、その過程では先進国と、これからの成長に向けてエネルギーを必要とする新興国・途上国との間に分断が生じてもいる。

本書は、米国の学者オバート・クラーク・タナーが創始した人文学の記念講義である「人間の価値についてのタナー講義」の一環として2015年に行われた講義「人新世の人間の条件」の完訳。インド出身の歴史学者である著者が、気候変動をはじめとする環境危機への取り組みについて、哲学、地質学、歴史学などあらゆる学問の専門家の知見を総動員しながら、議論の起点となる考え方を提示している。
現在の環境危機は、化石燃料の大量使用などにより「人間」が引き起こしたものであり、炭素排出量削減といった人間による対策が必要という「人間中心」の考え方が一般的だ。しかし著者は、それに対し「生命中心」の考え方の可能性を示している。

著者はシカゴ大学教授で、歴史学方法論、ポストコロニアル理論、サバルタン研究、南アジア史などを専門とする。トインビー賞、タゴール賞など受賞多数。


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