『神経症的な美しさ』
-アウトサイダーがみた日本
モリス・バーマン 著 | 込山 宏太 訳 | 慶應義塾大学出版会 | 424p | 4,180円(税込)


序.別の仕方で考えること
1.日本的なるもの(1)――禅、工芸、永遠の現在
2.日本的なるもの(2)――甘え、集団志向、序列
3.明治維新とその余波
4.戦争と占領
5.哲学――京都学派の時代
6.『なんとなく、クリスタル』――アメリカ化する日本のディレンマ
7.江戸的な現代へ――ポスト資本主義モデルとしての日本?
付録1 英語の用語法における問題
付録2 禅のリアリティ
付録3 禅、倫理、「枢軸時代」
付録4 オタク文化──インタビュー


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

「資本主義」という長年世界を支配してきた社会システムの限界が指摘され、「ポスト資本主義」が模索され始めている。実は、そのモデルに、課題先進国と言われる日本がなり得るのではないか、という説があるようだ。
それは日本文化の特質、「日本的なるもの」に由来するというが、どのような議論なのだろうか。

本書では、禅や民芸から、現代のオタク文化まで、広範囲な日本における文化事象を分析。日本人ないし外国人研究者や思想家による「日本論」「日本人論」を引用しながら、「日本的なるもの」の本質と、そこから世界が学べること、未来への可能性などを探っている。
日本文化には「虚空」があり、キリスト教のような普遍の倫理的「軸」が存在しない。また、過去から現在、現在から未来といった「前進する時間」ではなく、「永遠の現在」を日本人は生きているのだという。

著者は米国人の詩人、小説家、エッセイスト、社会批評家、文化史家。これまでに17冊の単行本、150本近くの論文を発表しており、ヨーロッパ、北アメリカ、メキシコの様々な大学で教鞭を取る。著書に『デカルトからベイトソンへ――世界の再魔術化』(柴田元幸訳、文藝春秋、2019年)などがある。


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