『子どもの文化人類学』
原 ひろ子 著 | 筑摩書房(ちくま学芸文庫) | 272p | 1,100円(税込)


1.切ることと創ること
2.親の仕事を知らない子どもたち
3.からだとつきあう その一
4.からだとつきあう その二
5.一人で生きること
6.けんかをどうとめるか
7.親子のつながり
8.あそび仲間のこと
9.「あそび」としての子育て
10.「親にならない」という決断
11.自然の中で作るおもちゃ
12.きびしい自然の中の子育て
13.“自然みしり”をする
14.「子どもぎらい」の文化
15.母系制社会の子ども
16.男女の分業について
17.キブツの男女・親子関係
18.バングラデシュの女の子たち
19.“がめつさ”について
20.男の子の「家出」について
21.しつけの男女差
22.離婚と子ども その一
23.離婚と子ども その二
24.ディズニーランドの文化
25.文化のなかの教育 その一
26.文化のなかの教育 その二
27.文化のなかの教育 その三
解説(奥野克巳)


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

環境変化の激しい現代の日本社会において、どのように我が子を育てていけばいいか、頭を悩ます子育て世代も多いだろう。
生活条件や習慣の異なる民族社会では、子どもの扱いや親子の在り方も日本とは大きく違う。子どもに関する文化人類学の知見が、次代をつくる子育てのヒントになるのではないだろうか。

1979年に発刊された名著の文庫化である本書は、文化人類学者の原ひろ子(1934-2019)が、極北の雪原に暮らす狩猟民であるヘヤー・インディアンなどの子どもや親子関係を探ったフィールドワーク経験をもとにした、子どもと子育てをめぐるエッセイ集。
ヘヤー・インディアンは、幼い子どもでさえも、自身の個人の責任において判断し、行動することが求められる。親子だけでなく、あらゆる人間関係において「教える」「教えられる」という概念がなく、子どもも含めて「自分で観察し、やってみて、修正する」のが当たり前とみなされる。主体的な責任を持たされるが自由でもあるヘヤー族の子どもたちは、好奇心をもって生き生きと暮らしているようだ。

著者は拓殖大学助教授、法政大学助教授、お茶の水女子大学教授などを歴任した。文化人類学、ジェンダー研究が専門。


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