『DEEP LIFE 海底下生命圏』
-生命存在の限界はどこにあるのか
稲垣 史生 著 | 講談社(ブルーバックス) | 272p | 1,210円(税込)


プロローグ 海底下の世界へようこそ!
1.海底下の住人はだれ?――世界初の海底下生命圏掘削調査
2.1億年以上前から生きている!?――南太平洋環流域海底下生命圏掘削調査
3.生命存在の限界を探る――下北八戸沖石灰層生命圏掘削調査
4.生命の温度限界に挑む――室戸沖限界生命圏掘削調査(T-リミット)
5.海底下生命圏とは何か
6.まだ見ぬ先へ――海洋地殻やマントルに生命は存在するのか
エピローグ 地球―人間システムの未来に向けて


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

「海底下」、すなわち深海の底のさらに下、マリンスノーや泥が堆積した層の中がどうなっているか想像できるだろうか。
堆積速度が1000年で5センチメートルの場合、海底下1メートルにある堆積物さえ2万年も前に積もったものだ。高圧で栄養もほとんどない場所だが、そこには、多くの微生物が暮らしている。

本書は、深海底を掘削する海洋科学掘削の歴史や成果、また著者自身が参加した代表的な海底下生命圏掘削調査プロジェクトの科学的成果等を踏まえ、海底下の生命圏とそこに暮らす微生物について詳述する。
海底下の微生物は、生きるために必要なエネルギーを極限まで抑えた「エコ」な生活を送っている。地表の微生物とはまったく異なる系統で、40億年以上も前から独自の進化を遂げた生命だという。海底下1,000メートル超の高圧かつ110~120℃の高温の環境にも、超好熱性微生物生態系が存在していることなどが紹介されている。

著者は、地球微生物学を専門とする農学博士。海洋研究開発機構(JAMSTEC)SIP海洋玄武岩CCS基礎調査研究プロジェクト長・上席研究員。東北大学大学院理学研究科教授、早稲田大学ナノ・ライフ創新機構研究院客員教授、高知大学大学院総合人間自然科学研究科客員教授を兼任。


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