『日本の水商売』
-法哲学者、夜の街を歩く
谷口 功一 著 | PHP研究所 | 224p | 1,760円(税込)


1.狙われた街・すすきの(北海道札幌市)
2.弘前、クラスター騒動の真実(青森県弘前市)
3.いわき、非英雄的起業家の奮闘(福島県いわき市)
4.夜の庭としての武蔵新城(神奈川県川崎市)
5.甲府という桃源郷(山梨県甲府市)
6.小倉で戦争を想う(福岡県北九州市)
7.雲伯、神々の国と鬼太郎のまち(鳥取県米子市・境港市、島根県松江市)
8.別府の盛り場を支える「ちはら三代」(大分県別府市)
9.浜松、「検証と反省」に思いを馳せて(静岡県浜松市)
10.十勝のスナックと地域のつながり(北海道新得町・帯広市)
11.「東京右半分」であふれる商売の熱量(東京都北区赤羽・荒川区西尾久)
12.小さなオデュッセウスの帰還(東京都渋谷区・中央区銀座)
終.「夜の街」の憲法論


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

新型コロナウイルス禍においては、主要な感染源の一つとみなされた「夜の街」が時短あるいは休業要請といった規制の対象となった。それにより、飲食店やタクシー業界などが困窮することになり、廃業に追い込まれるケースも多数見られたのは周知の通りである。
だが、この規制には根拠が乏しいとする識者も多い。

本書では、スナック研究でも知られる法哲学者が、コロナ禍で苦闘する全国各地のスナックやバー、居酒屋をめぐり、「水商売の魂」に触れるとともに、その社会的意義、法哲学の観点から見た「夜の街」規制の問題点などを論じる。
日本の、とくに地方ではスナックやバーが一種の「公共圏」として機能しており、地区による恣意的なマーキング(札幌のすすきの地区など)や、夜間の営業自粛要請といった、確たる根拠を欠く規制は、法哲学的に見ても問題があると批判している。

著者は東京都立大学法学部教授で法哲学を専門としている。2015年からサントリー文化財団の研究助成の下「スナック研究会」を主催。その成果をもとに『日本の夜の公共圏――スナック研究序説』(白水社)を上梓している。


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