『言語の本質』
今井 むつみ/秋田 喜美 著 | 中央公論新社(中公新書) | 296p | 1,056円(税込)


1.オノマトペとは何か
2.アイコン性――形式と意味の類似性
3.オノマトペは言語か
4.子どもの言語習得1――オノマトペ篇
5.言語の進化
6.子どもの言語習得2――アブダクション推論篇
7.ヒトと動物を分かつもの――推論と思考バイアス
終.言語の本質


【イントロダクション】※3,000字のダイジェストのうち、約300字の要旨のみご覧いただけます。

人間はふだん、何気なく言語を使っている。しかし、目に見えないものを表す抽象的な表現を含め、名詞、動詞、副詞等の多様な品詞、複雑な文法といった巨大なシステムから成り立つ言語は、どうやって発生・進化してきたのだろうか。子どもはこれをいかに学ぶのだろうか。
そして、言語の本質とは何だろうか。

本書は、「オノマトペ」を切り口に、言語の起源、子どもの言語の学び方、言語の進化、さらには言語の本質に迫っていく。
オノマトペはもともと「擬音語」を意味する語だが、現在は「サラサラ」「わくわく」などの擬態語、擬情語もオノマトペと表現されるという。子どもはオノマトペから、単語が多義であることや、単語にさまざまなバリエーションがあることなどを学んでいると考えられる。さらに著者らは、複雑な言語を身に付ける際、人間だけが持つ「アブダクション推論」の能力が重要な役割を果たしていると述べている。

著者の今井むつみ氏は慶應義塾大学環境情報学部教授で、専門は認知科学、言語心理学、発達心理学。秋田喜美氏は名古屋大学大学院人文学研究科准教授で、専門は認知・心理言語学。


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