【新刊】日本で「香道」という香りの芸術が生まれた理由 - 書籍ダイジェストサービスSERENDIP(セレンディップ)

『新装版 匂いの哲学』
-香りたつ美と芸術の世界
シャンタル・ジャケ 著 | 岩﨑 陽子 監訳 | 北村 未央 訳 | 晃洋書房 | 314p | 3,520円(税込)


序論 嗅覚に興味をもたない哲学者たち
1.自然と偏見
2.鼻から見た二つの視点
3.匂いの芸術的表現
4.嗅覚芸術
5.無嗅症から全嗅症へ――嗅覚哲学の可能性の条件
6.嗅覚哲学のモデル


【イントロダクション】
人間の「五感」のうち、生活上なくてはならないものとして視覚や聴覚を挙げるのに異論のある人は稀なはずだ。だが、嗅覚についてはどうだろう。
普段は意識することは少ないが、コロナ禍のマスク着用や、コロナ発症時や後遺症による味覚・嗅覚障害により、あらためて嗅覚のありがたさを感じた人もいるだろう。

本書は、2015年に翻訳出版された同名書籍の新装版。人文科学、特に哲学の領域では見落とされがちだった「嗅覚」に焦点を当て、古代から現代までの思想や哲学、文学をはじめとする芸術などで「匂い」「香り」がどう扱われてきたかを詳説。世界でも稀な「香りの芸術」である、日本の香道も紹介されている。
フランスの作家マルセル・プルーストによる小説『失われた時を求めて』には、紅茶に浸したマドレーヌの味と香りから過去の記憶を想起する有名な場面があるが、匂いは非物質的であるがゆえに、主観的、情緒的に記憶と結びつきやすいのだという。

著者はフランスの哲学者。専門は近現代哲学史。とりわけスピノザやベ-コンの哲学、心身論に造詣が深い。現在、パリ第一大学パンテオン-ソルボンヌ名誉教授。


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