【新書】戦災復興から「ウォーカブル」へ神戸発展の軌跡
社会
2025.01.21

『神戸――戦災と震災』
村上 しほり 著 | 筑摩書房(ちくま新書) | 376p | 1,320円(税込)
はじめに 神戸というまちの魅力
1.開港による都市形成
2.近代都市計画と水害の克服
3.戦時下神戸の市民生活と被災
4.闇市の発生と展開
5.占領による場所性の喪失と発生
6.終わらない戦災復興事業
7.伸びゆく神戸市の都市整備
8.阪神・淡路大震災と「復興」
9.新たな「神戸」へ
おわりに 「神戸」を語るのは誰か
【イントロダクション】
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から、30年が経った。神戸市では甚大な被害からの復興が進み、時代に沿った新たなまちづくりも進んでいる。同市は、戦前の水害、戦災、震災と、幾度も壊滅的な被害を受けながら、現在の姿にまで発展してきた。その歴史に学ぶべきことは多いだろう。
本書は、1868年の神戸港開港から現在に至るまでの神戸の歴史を、多くの史料や資料、住民の声などからたどっている。
現在、神戸市の都心にあたる三宮は、生田川の付け替えによって拓かれ、戦後の焼け跡に大闇市が発生したり、連合国占領軍のキャンプができたりした地である。広域な計画ゆえに長引いた神戸市の戦災復興は平成まで続き、阪神・淡路大震災後の区画整理とオーバーラップした。さらに近年は、都心再整備としてウォーカブルなまちづくりや、郊外の再整備などが進められている。
著者は、神戸市役所職員(公文書専門職)。大阪公立大学特任准教授。1987年生まれ、神戸育ち。神戸大学大学院人間発達環境学研究科修了、博士(学術)。専門は都市史・建築史。著書に『神戸 闇市からの復興』(慶應義塾大学出版会)、共著に『占領下日本の地方都市』(思文閣出版)などがある。
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