【海外書籍】ロンドンで最も古い住宅が問う「保存の意義」
歴史
2025.05.08

『ロンドン最古の家』
The Oldest House in London
Fiona Rule 著 | The History Press | 288p
1.土地の奪取
2.ザ・イーグル・アンド・チャイルド:ロンドン最古の家の建設
3.誇り高き、血塗れのロンドン:内戦中のクロース・フェア
4.赤い十字の印:クロース・フェアに死が訪れる
5.かつてあったロンドンはもう存在しない:ロンドン最古の家はいかに廃墟となる運命を免れたのか
6.完璧なる悪党:バーソロミュー・フェアの騒乱の全盛期
7.神の定め:クロース・フェアのウェスレー兄弟
8.ニューゲート監獄の6人:クロース・フェアとゴードン騒乱
9.財産は力なり:過激な政治の中心にあるクロース・フェア
10.横暴な無礼:クロース・フェアと最初の近代的国勢調査
11.古きロンドンの終焉:第1部
12.古きロンドンの終焉:第2部
13.ロンドンを救う:シーリーとパジェット、そして第二次世界大戦
14.未来のために過去を残す
終 クロース・フェアを散策する
【イントロダクション】
ロンドン塔、ビッグベン、バッキンガム宮殿など、英国ロンドンには名だたる建築遺産が数多い。それらは観光名所となっているが、世界的に名が知られていなくとも、貴重な歴史を物語る建造物は存在する。
ロンドン中心部のクロース・フェア通りに現存する「ロンドン最古の家(41-42 Cloth Fair)」もその一つだ。
英国で刊行された未邦訳の本書では、ロンドンにある一般住宅建物の中で「最古」とされる歴史を持つ「41-42 Cloth Fair」の変遷をたどっている。
1614年に完成したこの家は、ペストの大流行、ロンドン大火といった災厄を生き延び、さらに衛生改善や商業活性化のための都市開発の動きに曝されながらも、取り壊しを免れてきた。本書はまた、ロンドンの経済や文化を象徴する最大級の市(フェア)であるバーソロミュー・フェアの盛衰など、周辺地域に関係する歴史的トピックにも触れている。
著者のフィオナ・ルール氏は作家、歴史家。住宅や建物の歴史調査を専門とする「House Histories」を運営している。ロンドンや英国の社会史・建物史に関する多数の著書がある。
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