【ベストセラー】現代社会の「合理化」における四つの次元とは
社会
2025.06.13

『21世紀新版 マクドナルド化した社会』
-果てしなき合理化のゆくえ
ジョージ・リッツア 著 | 正岡 寬司 訳 | 早稲田大学出版部(早稲田文庫) | 688p | 1,980円(税込)
はじめに――『マクドナルド化した社会』を21世紀初頭に刊行する六つの意味
1.マクドナルド化の手ほどき
2.マクドナルド化とその先駆者たち――鉄の檻からファストフード工場へ
3.効率性――ドライブスルーとフィンガーフード
4.計算可能性――ビッグマックと小さなフレンチフライ
5.予測可能性――丘の小さな家に雨は降らない
6.制御――人間と産業ロボット
7.合理性の非合理性――「楽しげに行列している」者たちの交通渋滞
8.グローバル化とマクドナルド化
9.世界の変化とマクドナルド化――果たして限界はあるのか
10.マクドナルド化と付き合う――役に立つ案内
解説――マクドナルド化論の30年(大正大学教授 澤口 恵一)
【イントロダクション】
およそ30年前に、社会学や経営学の分野で注目された言葉に「マクドナルド化(McDonaldization)」がある。世界的なファストフード・レストラン、マクドナルドに象徴される、社会のさまざまな領域で進行する「合理化」を示す言葉である。
「タイパ」の流行など、現在もマクドナルド化に通じる現象は多く見られる。
本書は、1993年に原書が刊行された『マクドナルド化する社会』の改訂版である『21世紀新版 マクドナルド化した社会』(2008年日本語版刊行)の文庫化。マックス・ウェーバーの近代合理化理論の現代版として展開される理論「マクドナルド化」について、その効率性、計算可能性、予測可能性、制御という四つの次元に沿って、事例を紹介しながら詳細に論じている。
マクドナルド化は、特に企業側に合理化というメリットをもたらしたものの、レジ待ちの行列など顧客にとっての不便さ、均質化、そして「人間性の否定」といった深刻な非合理性を生じさせたのだという。
著者はメリーランド大学名誉教授。フォード自動車会社で労務管理を担当した後、コーネル大学で博士号を取得し、いくつかの大学を経て1974年よりメリーランド大学教授に就任した。
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