【増刊】宇宙を舞台に「人類の共同の利益」は守れるか - 書籍ダイジェストサービスSERENDIP(セレンディップ)

『月は誰のもの?』
-南極、海洋、アフリカの前例に学ぶ
A.C. グレイリング 著 | 道本 美穂 訳 | 柏書房 | 231p | 2,530円(税込)


はじめに――前例をもとに社会全体で議論しよう
1.「グローバル・コモンズ」と人類の財産
2.南極大陸を守るための取り組み
3.公海と深海を守るための取り組み
4.アフリカ争奪戦
5.宇宙条約は十分と言えるのか
結論 これから何が起きるのか、私たちに何ができるのか
付録1 宇宙条約(1967年発効)
付録2 南極条約(1961年発効)
付録3 海洋法に関する国際連合条約(1982年採択)抜粋


【イントロダクション】
2024年6月、中国の無人探査機「嫦娥6号」が世界で初めて月の裏側に着陸し、土壌サンプルを持ち帰ったというニュースは世界に衝撃を与えた。
月や宇宙を目指す各国や企業の動きは、ますます加速しているように見える。だが、月へ進出するにあたり「規制」は十分に議論されているのか。そもそも月は誰のものなのか。

本書では、人類による野放図な宇宙開発を避けるための、国際的な枠組みを構築する重要性を訴えている。歴史をひもとけば、人類が場所や資源の所有をめぐり争ったり、共同の利益を管理するための枠組みを構築しようと努めた「前例」がある。そうした例として、南極を保護するための国際合意である南極条約、公海と深海を守る国連海洋法条約、アフリカの植民地支配の経緯を挙げながら、「人類の共同の利益」の本質とその守り方を考察する。
なお、ダイジェストでは南極条約の事例を取り上げた。現在、宇宙空間の国家活動に対する基本的なルールとして宇宙条約があるが、その不足点も指摘する。

著者はノースイースタン大学ロンドン校ニューカレッジ・オブ・ザ・ヒューマニティーズの創設者兼校長であり、哲学教授。


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