【海外書籍】家賃上昇を抑制する「低価格住宅オーバーレイ」 - 書籍ダイジェストサービスSERENDIP(セレンディップ)

『「都市破壊」を防ぐ』
-「土地問題」に端を発する不平等を是正する政策とは
Broken City: Land Speculation, Inequality, and Urban Crisis
Patrick M. Condon 著 | UBC Press | 274p

1.不平等、疾病、都市の土地
2.都市土地価値の経済学
3.ヘンリー・ジョージと現代への意義
4.地価、都市の拡張、交通
5.低価格住宅供給の試み
6.ウィーン・モデルと現代への意義
7.政策的解決策と低価格住宅の追求
8.都市のゾーニングと現代の地価課税


【イントロダクション】
近年、「高すぎて家が買えない」という声が報道などでよく取り上げられる。都市部の住宅や土地価格の高騰は日本だけの問題ではなく、グローバルな潮流でもある。
その背景には、建築資材の高騰だけでなく、住まいや土地を投機的に購入し取引する市場の存在があるようだ。どのような対策が有効なのか。

カナダにあるブリティッシュコロンビア大学の出版部門から刊行された未邦訳の本書では、地価高騰とそれに伴う住宅価格・家賃の上昇が、健康リスクを含むさまざまな不平等を拡大している現状を指摘。その是正のために、自治体による税制改革や土地開発に関する規制が有効であることを、いくつかの国の事例を挙げながら紹介する。
例えばオーストリアの首都ウィーンでは、土地や不動産に対する課税や家賃規制、公営住宅の建設などの政策が奏功し、住民の6~7割近くが市場価格の影響を受けない住まい、そして質の良い住環境を享受しているようだ。

著者のパトリック・M・コンドン氏は、持続可能な都市設計において40年以上の経験を持つ都市計画家、教育者、研究者。1992年からブリティッシュコロンビア大学の建築・ランドスケープ建築学部で教鞭を執っている。


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